BORN FREE

フラットコーテッドレトリバー3頭との悲喜交々な日々

ロングジャーニー、ママが1番になりたい!

世の中、褒め褒め合戦

いつも、エル・ブリ・ケスの3頭の運動、訓練を兼ねている河川敷。
午後になると少年野球、少年サッカーなどのチームの場所取り合戦が、なかなかシュールなのです。

邪魔にならないようなスペースを見つけて、私もエルザ、ブリストルケストレルと順番に車から出して、それなりに必要と思うトレーニングなんかを個々にやっておりますが・・・

少年野球チーム、「お父さんの仕事は大丈夫なのか?(お前もだろ)」と思うほど、お父さんコーチ数名、ママ達サポーター大勢集まってます。
そして聞こえてくるのは、お父さんコーチ達の
「いーぞー、ナイスキャッチ!!」、「ナイススライディング!!!」、「よく走った!!」、「良く粘った!!!」、「えらいぞ!!」、「すごいぞ!」と、褒め言葉の雨嵐が子供達に降り注いでいるのです。
しかも、かなり大きな声で・・・。

なので、私も負けじと褒めますよ、エルザのこと、ブリのこと、ケスのこと。
「えっちゃん、すっごーい!!!今の曲がり方、超すごぉーーーい!!」とか、「ブリ君、サイコー!!!」とか、「ケっちゅん、天才だーーー!!!」とか🤣

だって、河川敷は恥ずかしげもなく大声で「褒め言葉が飛び交うオープンスペース」、みんなが褒めることに夢中で他人なんて気にしてやいない(はず)、褒めなきゃ損損!!


服従訓練」と言った時のイメージはなぜ悪い?

なぜ、こんなに褒め褒め合戦になっているのか???
少年と言えども、野球といったらアレでしょ。
 ♪思いぃこんだーら、試練の道を~、行くがー男のード根性♪

そう!!!ド根性系でしょ???うさぎ飛びとか意味があるか無いかじゃないんだ!根性だ!!って世界なんじゃないの??? 
私は「野球」と言えば「巨人の星」、巨人の星と言えばド根性、大リーグボール養成ギプス、木の陰で泣きながら見守る明子(飛雄馬の姉)、茶ぶたいひっくり返す一徹(飛雄馬の父)、小学生で外車乗り回す花形モータース御曹司の花形満です!!

「褒めて育てる」が子育ての主流。
ちょっと調べてみましたら、実際、褒めればより早く上達することが2012年に科学的に証明されているんですね。

www.nikkei.com


ここ20年くらいで犬も「褒めて育てる」が主流になったように感じます。
私が初代のジェミ二を迎えた頃は、「英国式トレーニング」とか、「犬の訓練と言えば警察犬訓練所」という世界に、西欧なエスプリ漂うトレーニングを謳うスクールが注目されてました。
私は陽性強化型の躾で草分け的な存在のテリー・ライアン先生のセミナーとか、行ったことは無いですが、キラキラっとしたオーラを感じておりました。
服従訓練」ではなくて「優良家庭犬トレーニング」、訓練士ではなくてドッグインストラクター。

 

服従訓練やってます」というと、私が「野球=ド根性で耐える練習」と思っていたのと同じように、「強制的に犬を屈服させる訓練」と感じる人が多いのだ、と感じる事が多々あります。
実際、動画なんかで犬に暴力的な言動や物理的な苦痛を与えて、犬を屈服させるようなものも出回ってますしね。

個人的な意見ですが犬関係の方(訓練のみならず犬を扱う方)には、時々、恫喝部長みたいな人、いますね。
モノ言わぬ犬を蹴飛ばしたり、叩いたり、怒鳴ったり、恐怖政治で犬を屈服させてコントロールしている人、ひたすら犬は縮こまって静かにおずおずしてる。
普段、そうやって犬達の中で「オレ様」で生きているからか?ふっとした時にそのオレ様発言や態度が人間相手にも出るので、すぐに分かります。
コワいですね~。

余談ですが、私は長年、会社員をやっておりますが会社にも、もちろん!リアル恫喝部長がいます。
恫喝部長は一部の部下からだけ熱烈に慕われている人が多いです。それぞ、まさに恫喝部長の「マインドコントロール」の手口だなぁって思います。
恫喝部長の手口とは、部下を一旦は恫喝して一切の反論を許さずに角の角まで恫喝しまくって追い込む、部下が思考停止するほど恫喝した後に、ものすごく簡単なタスクを与えて、それが出来たところで今度は褒める、「お前のことは信じていたぞ」とか、「やっぱりお前に頼んで良かった」とか・・・(かなり臭いセリフも平気で言う)。
で、一旦思考停止した部下は、ここで恫喝部長を「強い信頼できるリーダー」と感じて、マインドコンロールされるんだ、と私は感じています。組織は「人」ですが、このような「人との関係」はたとえ上下であっても不健全だなぁ、と思います。
恫喝部長が直接の上司ではなくても、仕事で関わったりすると、必ずその「マインドコントール」プロセスで2‐3度、恫喝されたりする経験は何度もあります。
屈服しない系の私の場合は、その後、「コントロール下にある自分と熱烈な部下」達の仮想敵対者扱いされて、無視されたりします。
なかなか厳しい現実社会、そりゃ病んでしまう人も出て当たり前だと思います。

と話が反れましたが・・・「マインドコントロール」というコトバもイメージが悪い言葉の一つですよね。それは上述のような恫喝部長の手口や、暴力や恐怖で犬を屈服させるような訓練手法(これも1つのマインドコントロール)なんかの悪いイメージが先行するからだと思います。
または「洗脳」と「マインドコントロール」がごっちゃになっているとか・・・。
「洗脳」はとても恐ろしい話ですが、「マインドコントロール」は決して、上記のような悪いものばかりでは無いと思います。

むしろ、マインドコントロールを言葉通りに受け止めるなら、自分自身のマインドも自分でコントロールする為の指南書とかいくらでも出版されてます。

特に犬との付き合いにおいて、犬にも「心」があるわけですから、そのマインドをいかにコントロールするか?は、共に暮らす日々がハッピーか?アンハッピーか?を左右する程大事だと思います。
「Sit=座る」と教えて犬が覚えたからって、「Sitしたくない時」だってあるわけで、指示を出せば常に座るわけではありませんよね。
「犬はロボットじゃないんだから」と言っているような人でも、結構勘違いしている人多いなーって思います。教えれた指示は出せば犬はやる、という勘違い。

Sitと言われたら、ちょっと他に遊びたいオモチャがあったとしても、まずは一旦座ろう!と犬が思ってくれるように、飼い主が犬の気持ちをコントロールすることは、決して悪いことではないと思います。
もちろん、そこで暴力や怒鳴りに近いコマンドを何回も発して座らせる、という恐怖によるコントロールは論外として。

ズバリ、「ママが一番!」って思って貰えたら、どんなに嬉しいか!


ママが一番!と言われたいのよ!!

今、私は訓練競技会に出陳を見据えての服従訓練なるものを趣味として、エルザとブリストルと楽しんでいるわけですが、やはり、私だけが楽しいと思っても、犬がイヤイヤやっている、表情が暗い、ノロノロとイヤそうだ・・・となれば、それは全く楽しくありません。

「ママと何かすることが楽しい!」と犬が思うことで、フラットコーテッドレトリバーという犬種が持つ能力、才能を引き出せたら嬉しいなぁ、と思ってます。

で、「ママが1番!」と思ってもらうには、やはり「叱る」よりも「褒める」方が良いのは、脳みそほぼほぼ筋肉な私でも分かります。


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タイトルにロングジャーニーと書いているのは、エルザのパピー育てで、なんと私は犬と遊ぶの下手なのだろうか・・・と悩み、なかなか私よりも私以外の全て🤣に興味を向けるエルザの気持ちをコントロールすることが出来ずに最初の3年近くを過ごしてしまいました。
訓練士の先生を変えて、ガンドッグの世界に足を踏み入れて、少しづつエルザとの心の交流が深まってきたなって思っています。

 

効果的に使いたいツールとしての「おやつ、オモチャ、褒め声、撫で撫で」

そんなロングジャーニーなので、いつも、いつも、犬の気持ち、犬の心に深くリーチするためにどんなことをしたら良いのだろう?とネタを探しております。

ザクっと言えば、「おやつ」、「声がけ」、「触る」の3つで犬とのコミュニケーションや関係性を深めたり、こちらに集中して貰うことで意欲的に学習して貰うわけですが、その効果的な使い方、そこがカギですよね。

ただオヤツをポイポイと上げてるだけでも効果は薄れるし、そもそも毎回同じタイミングでオヤツ出してもマンネリ化する。

面白いマーケティングの実験結果があります。
アメリカであるヨーグルトメーカーがヨーグルトを食べる時に人はどのような喜びをいつ感じるのだろうか、という事を脳波を調べることで科学的に解明しようとした試みです。

ヨーグルトを食べる、という事を想像した時に(別にアイスクリームでもなんでもOK)、皆さんはどの段階で最も嬉しい、または喜びを感じると思いますか?
実は口にした時ではなくて、その喜びはパッケージの蓋を開ける時なんだそうです。
「期待の絶頂」が実際に口にした時よりも大きな喜びになっている、という話で、これって犬のトレーニングでも利用できるよなーーーと思ったりします。

心理学で「報酬予測」という言葉があります。「パブロフの犬」の話が有名ですが報酬を予測する事でヨダレが出る、ヨーグルトの話と似てますね。
オヤツやオモチャを見せるだけでウキウキするのはその先の遊びを予測しているからであって、こういった気持ちを上手く利用して魅力抜群なママ似なりたいなーと思うわけです。


「報酬予測」は「予測」した以上のオヤツが出ればより期待は高まり、予測以下であると期待は減退するそうです。そりゃそーですよね。
犬と遊ぶ、犬の気持ちを掴むことが上手な方々というのは、こういった犬の予測や期待をうまーく操って、より効果的な出し方、組み立てを作れる人なんだと思います。


ついついワンパターンに陥りやすい私なので、上手な人が犬と遊んでいる様子、おやつをあげるタイミングやそのずらし方を研究しております。

とても長くなりました。ロングジャーニーなのでお許しください。
最後にちょっと面白い実験結果を発見しましたので、共有したいと思います。
PDFをダウンロードできます。

報酬の違いにおける犬の学習効果

https://www.jstage.jst.go.jp/article/abm/47/1/47_KJ00007142995/_pdf

 


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ボールキャッチ、オヤツのキャッチが上手になると、期待値上がるかなーと思って、ケスぽんと遊びながら練習してます☺️